「(な、なんだ今の…)」


まるで、少女漫画じゃないか。

放課後の教室で、イケメンと二人きりになるなんて…



「(しかも…、かわいいって言われた…)」


まだ火照りが冷めない頬に両手をあてる。



「(須藤夏輝、くん…)」


思わず側にある彼の席をじっと見つめてしまった。




「か、かえろ」


心のざわめきを抑えるためにも、ここに居続けるのは得策ではない。