「で、ちょっとどういうことなのよ夕」


英語のテストも終わった休み時間、私は咲季から尋問を受けていた。



「いや、どうって言われても…」

「どう考えても夕に気があるよ、須藤。いつの間に仲良くなったのよー」

「そんなんじゃないよ、いや、ほんと昨日たまたまちょっとだけ話しただけだし…
てか須藤くんってなんか私とは住む世界が違う感じがするっていうか…」


周りの男子たちとお弁当を食べながら、また会話の中心になっている須藤くんが目に映る。



「あ〜、なんかそれ私も最初の頃思ったな」

「え、咲季も?」


咲季は元テニス部ということもあって、私より賑やかなグループとの接点も多いから少し意外だった。



「うん、1年で一緒のクラスだったときもあいつ何も変わらなくて、いっつも輪の中心でゲラゲラ笑っててさ。
やっぱりあそこまでキラキラオーラ出されるとちょっと距離感じちゃうっていうか…」


咲季もそんなこと考えるんだ…。
なんだかこういうこと話せるって、すごいいいな。



「なにニヤニヤしてんのよ夕」

「えっ、してた?いや、なんかそういう心の中の部分?奥の気持ち?話してくれるのってすごい嬉しいなって…」

「…なんかそんな風に言われたらこっちが照れるわ…(笑)」


2人で微笑み合ってしまった。



「でもさ、それにしては咲季と須藤くん仲良い感じしたけど…」

「あーなになに夕、ヤキモチ?」

「いやいや!そんなんじゃないって」


ほんとにー?と言いながらニヤニヤしてくる咲季。