「てか平野さ、LINE教えてよ」
これまた突然の問いかけに、私の頭はついていかない。
「え、いいけど…」
「ちょっと待ったあんた、英語じゃなくてそれが目的だったでしょ」
須藤くんは「そんなことないよ〜」と言いながらスムーズに私のQRコードを読み取っていった。
「みんな席つけ〜」
ちょうどタイミングよく先生がきて、
「サンキュ」
彼はニカっと笑って自分の席へ戻る。
咲季も、
「ちょっと夕、あとで色々聞くからね!」
と名残惜しそうにしながら自分の席に戻っていった。
すぐに震えた携帯を見ると、
夏輝:
よろしく!
彼からのメッセージがひとつ。
ああ、やっぱり朝から調子狂わされっぱなしだ。
