キーンコーンカーンコーン…



「じゃあ今日は終わりな〜」



ガタンガタン…



(ゆう)〜帰ろー」

「うん、」

「でもほんと良かった、また夕と同じクラスで」



高校3年、4月。

新学期が始まった。


1年に一度のクラス替えで、
私、平野夕は、2年のときから同じグループだった木下咲季(さき)と同じクラスになり、一安心。



「用意できた?」

「ちょっと待って〜」


荷物をまとめる結季を待つ。

茶髪のボブで、くりっとした目と笑顔がかわいい咲季。
テニス部だったけれど、2年生のときに足を負傷して、部活をやめた。
今は足は完治したそうだけど、激しい運動はあまり良くないらしい。

そんな私は吹奏楽部だけれど、うちの部は2年までが現役で、3年生は受験に専念する方針なので、
これからは気が向いたときに顔を出す程度だ。



バタバタと帰り支度をしている新しいクラスを見渡す。

1日が終われば、だいたいこのクラスの模様が見えてくる。



ヒエラルキー最上位の賑やかなグループ

大人しい物静かなグループ


私はきっとまた、どっちでもない、中のグループだ。