遭遇しないように、隣の家を厳重に警戒しながら、そっと家を出る。 "いつまで喧嘩してんの?" ってふとさっきのお母さんの言葉を思い出して、今度は悲しくなる。私だってわからない。ずっと喧嘩はやだって思ってる。 けど、どうしたらいいかわからないんだもん。 はぁ、って本日二回目の溜息をついて、 奴の家の前を走って通り過ぎた。 由佐に会う勇気は、今日も出なかった。