「──おまえさ、男をなめてんの?」 中学三年の夏。幼なじみの由佐に生まれて初めて拒絶された。不機嫌な由佐がどうしても分からなくて、その日の夜は一晩中部屋に籠って泣いたのを今でも憶えてる。 果たしてそれが「拒絶」だったのか未だに正解は分からないままだけれど、間違いなくそれは「線引き」だったのだと、今になって理解する。 あの日から二年が経った。 私は未だに、由佐に謝れないでいる。