「んー」


こてんと首を傾げて上目遣いで念を押すようにそう言われた。破壊力。

俺にジロジロ見られてビビったんだろうな。

でも見るなってのはかなり無理な話だ。

見れるうちに見ておかないとまた違うクラスになって全然会えなくなるかもしれない。

まぁここは引き下がるが。


「・・・もう6時か。そろそろ帰るか」
「うん。そうだね」


家まで送って行くと言ったら一華は絶対に困るから、日が暮れる前に解散するようにしている。

そのうち家に送れるぐらいには仲良くなりたい。切実に。

それは置いといて今日は今までとは少し違う。

俺はカバンの中からあるものを取りだした。


「一華」
「何?」
「これ、差し入れ」
「差し入れ・・・」


今気づいたが差し入れというのは作業工程の途中で渡すものではないだろうか。


「ありがとう、ちーくん」