「満点おめでと」
「!?」


肩がビクッと反応した。

まさか声をかけられるなんて思ってもみなかったから思考も行動も停止してしまう。

しかも褒め言葉。


「あ、ありがと」


すぐに立て直し絞り出した言葉は少し裏返っていた。
ぎこちない動きで私も小テストを渡す。


「えっと・・・頑張れ・・・・・?」


今にも消え入りそうな声だった。

自分も何か返さなければと思ったけれど、これは完璧に言葉のチョイスを間違えたと思う。

何なら無言が正解だった。

ちーくんの点数は10点満点中2点だったからフォローのつもりで言ったけれど、完全なる蛇足。


「うん」


いつもクールなのは分かっているけれど、それよりも冷たく感じた。