「すっとぼけんな。昨日お前が人前で話しかけたせいで、一華が自分にアンチが出来たんじゃねえかって怯えてたんだぞ!」
「!?」


その事実に目を丸くする。

気づかないうちに一華に迷惑をかけていたことにショックを受ける。

もしかしたらラインを追加したことも、一華にとっては迷惑だったのかもしれない。

やっぱり気づいていなかったのか、と毛利は大きなため息をついた。
まるで俺に見せつけるように。


「一華のこと好きになるのは無理もねぇから置いとくとして・・・好きなら最後まできっちり守れよ」
「守るって」


俺の言葉をかき消すように毛利は話を続ける。


「お前のファンの牽制。あとお前が話しかけたせいで、『なら自分の話しかけていいよな?』とか思った大馬鹿野郎の処理」
「処理・・・」


(とんでもねぇこと言い出したなこいつ。第一その処理ってどうやるんだ?俺にそんななんて権力ねぇから)


「それが守れねぇようならお前に一華はやらん。じゃあな」