女子の視線が集まらないうちに早めに会話を切り上げようとするが、ちーくんの顔は曇ったまま。


「じゃあ、送っていこうか？」


そう言われてさーっと血の気が引く。

今のを誰かに聞かれたから大惨事だ。

下手したら幼なじみということもバレてしまうかもしれない。


「一華困らせてんじゃねーぞ真島ぁ。一華はあたしと帰んの」


この状況のヤバさを察した飛奈ちゃんはちーくんを少し睨んで牽制しながら、私とちーくんの間に割って入った。


「！ なら大丈夫か」


ようやく安心したのか、ちーくんは澤くんと共に教室を後にした。


「ありがと、飛奈ちゃん」
「･･･やっぱ真島と帰らせればよかったかも」


お礼を言うとそんなとんでもないことを言い出す飛奈ちゃん。


「え、酷い」
「冗談冗談。ほらワーク持つから、行くぞ」