文化祭当日だと言うのに、朝起きたときから胸騒ぎがしている。

きっと昨日思いきって一華と手を繋いだせいだろう。

元々自分よりは小さいと分かっていたはずだが、ちょこんと収まるぐらいだとは思っておらず、一華の手を引きながら動揺しまくっていた。

後半まともに顔を見ることが出来なかったし、我ながら情けなさすぎた。

それはそうとして、一華のことを考えているといつも何かしら突っ込んでくる和哉がいつになく静かだ。

一点を見つめて精神統一をしている。

そりゃそうだろうな。

なんせ今日和哉は宣言通り毛利に告白するのだから。

一時的にとはいえ、一華が和哉のこと好きだったら呪うぐらいには思っていた罪悪感があるので、ここは茶化さずに見守ろう。


(だからって流石に自転車に乗りながらそれは辞めろよ。コケた時に真っ先に被害食らうの俺だからな)


でも悪態ぐらいはつく。

学校について教室に行くまで何となく視線を感じた。

気味が悪かったが、関心がなかっただけでいつもこんな感じだったのだろうと気にしないことのした。