なるほど。

私達はこれでいいのかと安心して、ホッと胸をなで下ろした。

ちーくんの言ったことを咀嚼してうんうんと頷いていると、思い立ったように手を差し出してきた。


「一華、手」
「ん?」


言われるがまま手を差し出すと、とても丁寧にキュッと握られた。


「えっ」
「まぁこういうことなんじゃね?」


ちーくんの方を見入ると、ふいっと視線をそらされた。

私の顔も真っ赤だろうが、ちーくんの顔もりんごのようの赤く染まっている。


(て、手!?え、繋っっ。えっ?・・・・・・手汗かいてない!?問題ない、かな・・・!?)


「じ、実力行使・・・!!?」
「それ言い方に問題があるだろ」


混乱してよく分からない言葉が出たら、ちーくんは目を合わせないままフッと笑った。

そのまま「帰るぞ」とだけ言って私の手を引いた。