ただ、しばらく経っても反応がなかったので恐る恐る視線を上に向けた。


「え、ちーくん・・・・・?」


目を映ったちーくんは顔を耳まで真っ赤に染めて、硬直していた。

私が動いたことでハッとなったのか、かすれ気味に言葉を紡いだ。


「ゆ、夢じゃないよな?」
「? うん」


私の言葉でちーくんはまた固まった後、深呼吸をして真剣な目で私を見つめた。


「俺も一華が好きだ。・・・ずっと、ずっと前から」
「へっ?えっ・・・え?」


私の第一声はとっても間抜けで、ムードの欠片のないものだった。


(だって、ちーくんが、私を、好き?え??待って。じゃ、じゃあ、あの噂って私のことだったの?そうだったの?ゆ、夢??)


今度は私が硬直する番だ。

状況が上手く飲み込めなくて、無意識のうちに1歩1歩後ずさる。

それをちーくんが少し笑いながらそっと止めた。