「ありがとう・・・」
「今日はもう帰ろ」
「うん」


ランドセルを背負ってちーくんの隣に並ぶ。

それを確認したちーくんはゆっくりと歩き始めた。


「あいつら、いつもあんなことしてくんの?」


しばらくしてちーくんが静かにそう尋ねた。

口をキュッと結んでこくんと頷いた。

すると眉に皺を寄せて怒ったような顔をした。


「サイテーだな。こわかったろ」


今喋ったらまた泣きそうだったから、またこくんと頷いた。

顔はまだ怒ったままだけど、私に向ける言葉は優しかった。


「もうだいじょうぶだから」


それはどういう意味だろう、と思って顔を上げたら、ちーくんは私を一瞥して左の道を指さした。