本人の口からそんな言葉がとび出てて目を丸くした。
あまりの衝撃に心臓がギュッとなった。


「だ、だって真島くんも、私を、苗字で呼んだじゃん!」


かなり噛んでしまったが、ちゃんとした答えが言えたと思う。

声量はいつも以上に不安定。


「確かにそう呼んだことはあるけど今は一華って呼んだ」
「そう・・・だけど・・・・・。ちーくんって呼ぶ人、周りにもういないじゃん」


説得力はなく、声がどんどんしぼんでいく。


「? 別に一華はちーくんって呼べばいいんじゃ?」
「そう呼んだ時の周りの目とか色々気にするところがあるの・・・!」
「周りの目?」
「真島くんは自分が思っているよりもずっと目立つんだよ!ファンクラブがあるとかの噂もあるぐらい!」


勢いでちーくんに言いたいこと言えたと満足した私とは逆にちーくんは怪訝な顔をした。


(あ、やっぱり気づいてなかったんだ・・・)