「糸瀬さん・・・」
(・・・・・・え?)
数秒この状況を理解するのに時間がかかった。
石のように体が硬直する。
待って、今私の名前が聞こえたんだけど。
(あ、私がいるのにびっくりして思わず名前を呼んだ的な?多分そうだよね、そうだよね?うん。わざわざ私に話しかけるわけないもんね?落ち着け、落ち着け・・・!!)
予想外の出来事で脈速が上がった。
このまま背中を向けていれば気にしなくて済む。
よし、松井くんには悪いけどなかったことにしよう。
「糸瀬さん、もしかして1人?」
(!?!!!?!??・・・・・・・!?)
私が落ち着こうと頭をフル回転しているうちに、気づけば松井くんが隣に来ていた。



