1人で勝手に気まづくなっていると、こちらに近づいてくる人影が。


「おはよ、一華」
「えっっ・・・え?お、おはよう・・・真島くん」


まさかとは思ったけど、わざわざこちらに来て話しかけられるなんて思わなかった。

それに今一華って呼んだ。

もうずっと糸瀬って呼ばれ続けるものだと思っていたのに。

それに対して反射的に「真島くん」と呼ぶとちーくんは眉をひそめた。

あまりにいきなりのことでスクールバッグをギュッと抱き締めながら数歩後ずさる。

ビックリしたのとちーくんが近くにいるのとで心臓がうるさい。


「『真島くん』・・・?」


(え、そこ聞き返すの?もしかしてそのせいで機嫌悪くなったの?)


何か問題があったのかと首を傾げる。

するとちーくんは拗ねたように言葉を発した。


「ちーくんって呼ばねぇの?」
「!?」