(いいわけねぇだろバァカ)


俺を焦らそうとしている和哉に内心悪態をつく。

既に俺の我慢の限界は近い。

ずっと守ることだけに力を注いできた。

けれど、一華はそれに気づく訳もなく、ただの幼なじみとして認識されているはずだ。

いやまともに関わってこなかったからそう思われているかすらも微妙。

もう俺達は高校生。さすがに大学まで追っていくわけにはいかない。

このままでは何もなく終わってしまう。


「一華を守ればさえすればいいって思っていたが・・・もう辞める」


そう静かに宣言したとき、なんの偶然か一華と目が合った。

すぐに逸らされたが、今日はついている。


(この先どう動こうか・・・?)


ろくに行動を起こせなかったことが仇になったのか、宣言したはいいものの具体的に何をすればいいのか分からず、早速迷走状態に陥った。