食事を終えると、母親と慶は実家に帰る支度をしていた。


私の事を気遣いながらも、慶の世話をしなければならない為、陣痛室から二人出ようとしていた。



慶はあまり寂しがらずに私を見て手を振っていた。



母親は、パパに、

「後はお願いね。」


と、言い残し、陣痛室から出て行った。



パパと二人になるなり、かなりキツい陣痛が急に襲って来た。



パパはしっかりと、私の手を握りしめてくれていた。


その手が痛い陣痛を逃がしてくれるほど優しく感じて、握り返していた。



陣痛の間隔が狭くなり、痛みがすぐにやってくる。



何度もそれを繰り返すうち、分娩室に移動する事になった。