君を守るのは僕の仕事




「空と、友達が喧嘩したみたいで…。」



少しずつ、
視界が霞んでいく。


あきは「うん。」と頷きながら、
話を急かすことも詳しく聞くこともなく、
私が喋るのを待っている。




「その友達が、
空のママは若いからちゃんと空を育ててない、空はかわいそうだってママが言ってた、
パパがいないから変だ、とか言ったみたいで…。」



「……うん。」




「空が今まで父親のこと聞いてもはぐらかしてきた。
ニコニコ挨拶する人が!
裏でそんなこと言って…
言うのは構わないよ!?
けど子どもに言う話じゃないでしょ?!」




「うん。」




「可哀想って大人の尺で口走って!」




「うん。」





「今どき、シングルマザーなんかいっぱいいるのに!」




「うん。」




「高校生だから…。
私だからそんな風に言われて!」





「うん。」





「父親のこと、
3歳の空が気を遣って聞かないのに、
大人がそんなこと言ってさ!」





一気に話していっぱい泣いた。


興奮した早口の支離滅裂な言葉を、
あきは気持ちを汲み取って何も言わずにただ相槌を打って聴いてくれた。


色んなことを吐露して、
泣いて、
話して…。




「海智…」


やっとあきが“うん”以外の言葉を返した。



「海智は覚悟持って産むって決めてさ、
14で母親になるって腹括って…。
その覚悟はすげーと思った。
けどさ…。」



真っ直ぐに見つめるあきの姿が、
涙で滲んでよく見えない。