俺の家は母子家庭。
父親は女作って逃げた、と聞いた。
父親の記憶もない。
母さんが泣いている、幼い頃の記憶はそれだけだった。
だから母さんには父の話を聞いたことがない。
そんな母さんが家族ぐるみで仲良かったのが、駒井家。
小学校の行事で母親同士が意気投合したって聞いた。
無口な海智のお父さん、穏やかな海智のお母さん。
そして、色が白くて人形みたいな海智。
何度も何度も、家族同士で遊んだ。
俺らが仲良くなるのも時間の問題だった。
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