夕飯の片付けは真美さんと私でするのが日課。
あきは空とお風呂に。
お父さんはリビングのソファでテレビを見ている。
「学校、どう?」
「勉強難しくて…あきのおかげで赤点は取らずにすんでるんですが…。」
「そっか。よかったわー、彰仁が役に立って。」
「あきには頭が上がらないです。」
こうやって真美さんと食器の片付けをすると、
母親ってこんな感じなんだなーって思って嬉しくなる。
「明日もバイト?」
「はい、朝から…。」
「そうだ!彰仁に送ってもらいなさい!
女の子1人じゃ心配だから、ね?」
「いや、あきも勉強するだろうし。」
「たぶんあきは行くわよー?」
意味深い笑みを浮かべた真美さんはそう言った。
同時に空とあきがお風呂から上がった。
「ね?彰仁、明日みっちゃん送ってくんでしょ?」
「ん?そのつもりだけど。」
空の体を拭きながらあきが言う。
「いや、いいよ!あきも勉強しないと…」
「ダメ。送ってくから。」
淡々と言い返された。
