全身が自分の物じゃないように震えて止まらない。

鉄平は何も言わないまま、私を強く強く抱きしめていてくれた。


涙すら流れない。

あまりの衝撃に、全身がただ震えるだけだ。




「咲、体に障る。少し休もう。」
しばらくして、鉄平は私から体を離して私の顔を覗き込んだ。

「真っ青だ。着替えて湯につかるといい。私も戦場で汚れたままだ。富、御影、紅姫を頼む。」
鉄平の言葉にすぐに富さんと御影さんが部屋に入る。
2人とも様子を見守っていたのだろう。