それは七色をしていたエデンー、名を閣仁の園と言われたー。
 その広さエデンを覆い、美しい美女が闊歩する園であったー。
 全ては閣仁と、言われる程では無いが、その美しさ目を見張ったー。
 名を、閣仁園太郎ー。その宝玉の目を鑑みれば天、全て満ち足りたと言うー、古い話だ。
 あたし、メロウナガが語るー。もう、長い事かんばぜる事の無いエデン閣仁での事だー。
 白い羽をたなびかせるメロウナガー、世界一美しい女だったと、婢女一億人が言ったと言うー。

2
 閣仁での事だ。可なりの数の女が園太郎に言い寄った事がある。全て没却し無にしたと言うー。
 何たる美談。美しい園太郎の家を閣仁の上に持って行きー、常に見ていますよとふざけた。嫌だも、言わない。
 ドーイして、何と本当に城を閣仁の上に作ったと言う。
 それもまた軋轢。美談とされたと言う。誰も誘わないからー。そう言って美しい髪をたなびかせたー。
 美しい。欲しい。狂う程みな思った。閣仁は、全員女だ。

 園太郎ー、ある日のエデンでの事だ。何と、親が粗相を犯して捕まったそうだ。もう、許されない事だった。
 婢女の仕事をやれと言われたー。何と、天誇る下卑女部隊色色堂で婢女をやれと言われてしまったー。な、な、そんなー!
 落ちた園太郎を、許す事は無い。家は拙くも閣仁の上に聳えてから、もう百年経つよと言われてしまったー。
 メロウナガは得意気に羽を生やし見ていたー。
 美しいー、永遠に二十歳のミタマだ。泣く園太郎は、美しく今にも閣仁の女全てが奪い取らんばかりであった。

3
 隠は園太郎の婢女だ。慮れば己の美貌たるや神と言われない神も多いー。その中で園太郎は前生で十六歳で親に男か女かも分からない儘に死んだ人生があった。
 二十歳で生きた儘エデンに帰って愛されて散った事もあった男なんだ。
 みな愛していたよ!揺るがない、揺るぐ訳が無いんだ!愛しています、園太郎ー。そう、みな言ったと言うー。
 揚羽が見ていたー。話に寄ると揚羽は女の化身だ。そんな事も無かった!噂をしていたー。
 園太郎は余りに粗相が無くエデンで作られたと言うー。大泣きだったと言うー。笑ったり怒ったり、そんな事も全部全部園太郎の物にー、隠はしとう御座います。

4
 親は古い屋敷に周知なされ、誰が従うか!そう思って言いはしなかった。良い様に言っていた。
 良い様に言ってなおざり、神格を失った二人は笑われていた。古く、今迄の城と可なりの差があった。
 住み悪く、暑く寒かった。園太郎はいなかった。親は少し刹那く、滅びたい気分だよと思っていた。
は更に、意外にもお元気?それも言わず思うだけ。顔付きは得意気に、それも言わず、只屋敷の庭を上役と見ていた。
 金を貰えるからだ。三万円だそうだ。今後はそうやって稼げや下卑。そう、言われても怒らなかった。そこで、園太郎が来た。

5
 閣仁が建ってから可なりの年月となる。一度たりとも落ちぶれたりはしなかった。
 園太郎の美貌ー、実は禁忌だったと言う。一人の美男を思い、その力で永遠に神の仕事をするなんて。
 集まる女は内心泣いていた。自分の方が美しいと、女は言いたいのよ。瞳は宝玉、髪は見た事の無い色ー。
 そんな男を色色堂何かに送ってやったわ。ざまあない。笑って、泣いていた。死にたいと喚いたと言うー。
 親は何と、欲を出し、メロウナガを殺そうとしたのだと言う。
 それを聴いた婢女が、何と二人を流したのだと言う。
 知らなかった園太郎は、流石に怒って泣いた。メロウナガは、閣仁の長だ。永遠に償えー!あんたも、あんたもよ。えー!!園太郎も同罪とされた!
 古屋敷入りですう。神格は三人共絶たれた。

6
 未だ見ぬ世界てあるよな?メロウナガはそう言うー。思えば荼と伏す程に来ては引くのよ。その色色の女の美しい事よ。
 一切見ないかえ!半泣きのあたしはもう、園太郎をあたしと呼ぶわ。
 そう言うわよね!情緒を乱したメロウナガー、みな慮り思った。メロウナガは怒ると鳥になると言うー。
 人を愛すと蝶になれると言うー。そんなエデンでの事、園太郎は怒ると星屑にだってなったわ。
 叶わない、叶わない。泣いて、欲しいー!そう、言ったと言うー。
 閣仁は、メロウナガがいなくては、園太郎がいなくては動かなかったと言うー。女連は、ずっと自決をしていたー。

7
 唯一神に、なりたかった。
そう園太郎は言った事があるー。しかし神は多く億はいる。
 一切及びも付かない美男に言い寄り、負けた数全、大泣きをしていたと言う。唯一神は、美しい国の人で無くてはならないよ?隠に言われた。
 隠を吹っ飛ばす勢いで捲し立てた事がある。
 俺だけだよ?本寧俺だけが偉い筈だよ!?はあー?みな呆れて半年見られないがあった。
 あんたより美しい部族はあって、あんたにはなり得ないよ!?正気!?褥を狙い手にして遣るー、殺して遣るー!
 そんな百年が経ちー、落ち着いた頃に建てたのが、閣仁の園だ。思えば、あんただけだ。
 愛苦しい程だ。園太郎だけだからね。

8
 かねての園。
そう呼ばれたー。もう戻らないと言うー。でも、いつか、またいつか閣仁を建てても良いかー?
 そう思っていた。かねての園が有名になり、閣仁はメロウナガが営んでいたー。もう千年経つー。
 笑った。もう、本寧戻れないかも知れないー。
 荒んで色色見たくなってるんじゃ無い?そう聴くと何とちゃんとやっていた。くそー!園太郎は遣り込められていた。
 美しいから、親子三人で抱き合ったと言う。
 刹那、刹那。そう、言った。閣仁の上にあった家は残虐にも滅ぼされていた上に、不浄にされていた。もう、怒りが迸っていた。メロウナガは言いたい事があったー。

9
 揚羽が外では噂をしていた。それはメロウナガでー、宇宙では園太郎が星屑になっていてー、幸せです、あたしは幸せです。
 蝶が束になって舞っていてー、思うの。いつかまたは無いの。もう、閣仁はあたし達の物なんで。
 祈るのは、女の方が良いでしょう?そう、思うの。女の神が実はいて、醜いの。園太郎には言っていないの。
 三人には言っていないの。殺すから。実は不業のあるミタマが一番なの。女の最高位は、とある花のミタマで醜い女なの。もう、貰ったわ。そう、メロウナガ言います。