雨音が聞こえ始めた2階の渡り廊下。

廊下で向かい合う2人の声はB棟の職員室にまでには、さすがに届かないだろう。

「生意気なやつめ…!」
日枝の表情は一変し、唇を歪めた。

次の瞬間、日枝の蹴りが勇介の手元を目がけて鋭く打ち込まれた。

「…パーン!!」

破裂したプラスチックの中から、きつね色のパンが飛び出し、白色の廊下に茶色の液体を飛び散らせて無残にも落下した。

「てめぇ…俺のカレーパンを…!よ、よくも!」