「黙って聞いてたら、言いたい放題言いやがって!
そんなに金が欲しいなら、お前の体買ってやるよ。
その代わり、お前の心も体も2度と元通りにならないようにたっぷり可愛がってやるよ。」
目の色が変わり、さっきよりも腕を掴む力が強くなる。
脅しのつもりだろうけど、今の私には何も通用しない。
心も体も2度と元に戻らないように可愛がる?
そもそも、心もない私から何を取るっていうわけ?
体だって、今すぐどうなったっていいって思ってるのに。
こいつ…
馬鹿すぎて笑えてくる。
「ふふ。」
「何笑ってんだよてめえ。」
「いや、やりたいならやりたいようにやれば?
別にあんたが私をどうしようと誰も困らないわけだし。
それに、心も体もどうでもいいと思ってる私から何を奪おうとしているわけ?
それで私が立ち直れないと思ってるつもり?
泣いて喚いて、頭を下げるとでも思った?」
「はあ?
お前、とことん可哀想な奴だな。
お前に関わってるのがバカバカしく思えてくるわ。
時間の無駄だった。
そんなに金がほしいなら、その汚ねえ身体が壊れるまで男に可愛がってもらえよ。
俺はもう二度とパスだけどな。
じゃあな。」
男は、怒りのままに飛び出ていきホテルのドアを粗めに閉めた。
「ばかみたい。」
汚い身体ね…。
たしかにそうかもしれない。
別にどうでもいいけど。
「もう、学校に行かなくていいかな。」
時計に目をやると、とっくに1時間目が始まっている時間になっていた。
体も頭も怠く、私は再びベッドの中に入り深い眠りについていた。