お別れは始まり



「香織…おはよう。ご飯、出来てるわよ。」


「えっ…あっ…うん。」


お母さんはいつも通りに接してくれた上に、目をタオルで冷やしてくれた。



おかげで安心して学校に行くことが出来た。


…なんて、あるはずもなく。


「おはよ香織〜。」


「香織ちゃんおはよう!」


教室に入って、みんなに挨拶されても、おはようの4文字が出てこない。


それを不審に思ったのか、楓が私の近くにいる子を退けて抱きついてきた。



「かえ…で?」


「香織…どうしたの?変だよ、香織。」