お別れは始まり



「香織…。」



お母さんが私を撫でようと手を伸ばしてきたのが分かった。



だけど私はその手を…。






……ー振り払った。


「ぜったい……いやっ!!!!」



「でも香織…これは決まったことなの…。」



「いやってったらいや!」


「静かにしなさい!」


怒られて、幼い私はお母さんが味方ではないと悟った。



ショックで涙が頬を伝って床に落ちた。


見れば、染みて光っている床。