「はあああっ!!!リオン様っ!!

 今日も素敵ですっっ!!」


「ホント、先輩って"リオン"のこと、

 好きですよね……。」







呆れながら言う彼にポストカードを振り回しながら




私は宣言した。


「うんっ!!大好き!!」





"リオン"とは、

もちろんこの可愛げのない生意気なこの利穏、

というワケではない。




少女漫画

『君は恋する花』

前世の記憶を持った女の子が

前世からの恋をつらぬく大人気作品である。


その中のイケメンキャラ、"リオン"様が推しなのだ!!



最推しです!!もちろん!!





「なんで、そんなにリオンが好きなんですか……?」

そ、れ、は!!!!

「年下でツンデレだよ!?

 萌えない方がおかしいよ!!

 顔もカッコいいし……!!それから!!」

「分かりました!!

 もういいです!!

 それで、センパイ……。」

「ん?何??」

「年下で、ツンデレ、ですか……。」



繰り返し同じことを言う利穏くんに

頷くと

顔をグイッと近づけられた。

怖い。ひたすら怖い。

頭大丈夫??




「ど、どうしたの!?」



「先輩。

 身近にそんな人、いませんか!?」