「アホだって言いたい。」


惜しい。アホの方だったか。


それでもムカつくので、

リオン様グッズを持っていない手で

利穏くんの頭へ無言で手刀を下した。


「〜〜〜っ!!!」


すると、利穏くんは言葉にならない叫びを……ってちょい待ち!!



そんな痛いの!?


軽くしかしてないよ!?


まあ、それで私の頬っぺたは解放された。


長時間は痛かった……。


それに比べて利穏くんは一瞬で終わったからいいよ、ね?




だんだん不安になってきた。


利穏くん、なんか頭押さえてるし。



大丈夫、かな?


え、ホント大丈夫!?


さっきから無言なんだけど!!



「利穏くん、大丈夫?」


「……。」



無言とか泣くよ?先輩。



「さようならっ!!」



「えっ!?あっ!?えっ!?ちょっ!!」


さようならと同時にダッシュ!?


どうしたのー!?

利穏くんー!?

私なんかした!?




帰り際の彼で印象に残ったのは、

頬っぺたの赤さだった。




「大丈夫かな?」



病気、かな?













「ただいまー。お母さん。」

「おかえりー。あら?沙羅。」

「ん?なに?」

「頬っぺたが赤いわよ?」

「……。」