僕は、蓮くんに笑いかけた。



「……先輩、すみません。勝手に先輩とこのオリキャラ描きました」

笑いながら、蓮くんはノートに描かれた僕のオリキャラを指さす。

「全然良いよ」

僕がそう返すと、蓮くんは「良かった……」と安心したように笑った。

確か、僕が自分の絵柄でオリキャラを描き始めたのって……蓮くんが、きっかけなんだよな……。

僕は蓮くんと向かい合うように座って、蓮くんがノートに落書きしてるところを見つめる。蓮くんの絵柄は可愛くて、好き。

「……先輩、新しいオリキャラが出来たんですけど……名前、どうしましょう?」

顔を上げて、蓮くんは僕を見た。それに、胸が高鳴ったような気がする。

「……星、イメージか……なら、星羅とかどう?」

僕の気持ちを誤魔化すように、僕は思い付いた名前を言った。

「それにします!」

……本当に、この感覚は何だろうな。



「お前、好きな人いるの?」

高校生になって出来た友達に、僕はそう聞かれた。

「好きな人……いるには、いるね」

僕は、同じクラスメイトの女の子の笑顔を思い浮かべた。あの時と、似た感覚になるな……。

「そうなのか。告白したら?」

「無理だよ。あの子は、きっと別の人が好きなんだから」