男子の隣のバスに乗るのには少し抵抗がある。
 四年生のとき時に結翔の隣の席に座ったときのこと。
 バスに酔いやすい私を気にして背中をさすってくれた結翔はとても優しい人だと思った。だから力いっぱいに礼をした。「ありがとう」と笑って言った。それだけなのに背中をさすっていた結翔と礼を言った私を見て、碧海と湧人は、付き合っている…だとか、夫婦…だとか色々ふざけあっていた。
 結翔は何も悪くないけど、嬉しかった気持ちが薄くなった気がした。その日から男子とのバスは無理。受け付けませんと顔に書いている気もちだった。