「つまりはこういうことなの。土曜日のサッカー部の試合で悠馬君は大活躍だったでしょ?それを見ていた他校の女の子たちが、悠馬君と同じクラスの女子に合コンを設定してほしいって頼んだんだって」
女の子達の中から、なにそれ許せないという声があがる。
川口君が、「俺に言ってくれればいいのに」と呟いた。
「それでそれを悠馬君に言ったら彼女がいるからダメって言われたんだって」
まぁ、そりゃ…そうだよね。
私は頬が自然とゆるむのを隠すのに必死だった。
「だから、それって他校の子だよね?どこの学校かおしえてくれたら絶対にバレないようにするよってその子が言ったら…」
「言ったら…?」
「その話は嘘だったって。本当の彼女はこの学校にいるんだって言ったの!」
えー!!なにそれー!!と女の子たちは蜂の巣を突いたみたいな騒ぎになる。
本当なの、誰なのと、騒がしく言い合っている。
さっちゃんが私を見て、「まぁ、こうなるよね」と言った。
「それで相手は誰なのかもちろん聞いてきたんだよね」
森さんが女の子につめよってたずねている。
女の子はその剣幕に少したじたじしながら首をふった。
「そ、それがこの話、ついさっきのことだからまだそこまでは…」
そのとき、開けっぱなしの廊下側の窓から、何やらわぁわぁ言いながらこちらに向かって歩いてくる男女の集団が目に入った。
う、また嫌な予感…。
私は思わず目をそらすけど、さっちゃんはしっかりと確認したみたいだった。そして、ちょっとおかしそうに呟いた。
「王子様のお出ましだ」
やっぱり…。
悠馬はわぁわぁと何かを言っている女子たちに、「ついてくるなって」と言いながらうちの教室の扉の前で立ち止まった。
そして私に目を留めて口を開きかける。
「あ!悠馬君!」
でも悠馬が声かけるより早く、森さんたちが彼を取り囲んだ。
「いったいどういうことなの?!この学校に彼女がいるなんて!嘘だよね?」
悠馬は森さんたちをめんどくさそうに見てから、「本当ですよ」と言った。
きゃー!!と悲鳴のような声があがる。悠馬はそれを興味なさそうに見てからつかつかとこちらに歩いてくる。
そしてみんなの大注目を浴びる中平然として私に言った。
「今日部活ないんだ。帰ろ、るり」
この空気の中、そんなことを言える悠馬って…。
実は森さんと同じくらいメンタルが強いんじゃないの?
森さんが慌てて私たちに駆け寄る。そして恐る恐る口を開いた。
「ま、ま、まさか、悠馬君。同じ学校の新しい彼女って…」
「るりですよ」
きゃー!とまた悲鳴があがる。
女の子達の中から、なにそれ許せないという声があがる。
川口君が、「俺に言ってくれればいいのに」と呟いた。
「それでそれを悠馬君に言ったら彼女がいるからダメって言われたんだって」
まぁ、そりゃ…そうだよね。
私は頬が自然とゆるむのを隠すのに必死だった。
「だから、それって他校の子だよね?どこの学校かおしえてくれたら絶対にバレないようにするよってその子が言ったら…」
「言ったら…?」
「その話は嘘だったって。本当の彼女はこの学校にいるんだって言ったの!」
えー!!なにそれー!!と女の子たちは蜂の巣を突いたみたいな騒ぎになる。
本当なの、誰なのと、騒がしく言い合っている。
さっちゃんが私を見て、「まぁ、こうなるよね」と言った。
「それで相手は誰なのかもちろん聞いてきたんだよね」
森さんが女の子につめよってたずねている。
女の子はその剣幕に少したじたじしながら首をふった。
「そ、それがこの話、ついさっきのことだからまだそこまでは…」
そのとき、開けっぱなしの廊下側の窓から、何やらわぁわぁ言いながらこちらに向かって歩いてくる男女の集団が目に入った。
う、また嫌な予感…。
私は思わず目をそらすけど、さっちゃんはしっかりと確認したみたいだった。そして、ちょっとおかしそうに呟いた。
「王子様のお出ましだ」
やっぱり…。
悠馬はわぁわぁと何かを言っている女子たちに、「ついてくるなって」と言いながらうちの教室の扉の前で立ち止まった。
そして私に目を留めて口を開きかける。
「あ!悠馬君!」
でも悠馬が声かけるより早く、森さんたちが彼を取り囲んだ。
「いったいどういうことなの?!この学校に彼女がいるなんて!嘘だよね?」
悠馬は森さんたちをめんどくさそうに見てから、「本当ですよ」と言った。
きゃー!!と悲鳴のような声があがる。悠馬はそれを興味なさそうに見てからつかつかとこちらに歩いてくる。
そしてみんなの大注目を浴びる中平然として私に言った。
「今日部活ないんだ。帰ろ、るり」
この空気の中、そんなことを言える悠馬って…。
実は森さんと同じくらいメンタルが強いんじゃないの?
森さんが慌てて私たちに駆け寄る。そして恐る恐る口を開いた。
「ま、ま、まさか、悠馬君。同じ学校の新しい彼女って…」
「るりですよ」
きゃー!とまた悲鳴があがる。


