「俺、もうるりの家行けないよ…」
悠馬が呟いて肩を落とす。
私は隣でクスクスと笑った。
「大丈夫だって。うちのお父さん恐くないの知ってるでしょ?」
「でもなぁ…」
発表会のあとの私たちのラブシーンは、お父さんだけじゃなくて、その後ろにいたお母さんとおばあちゃんにも見られていた。
お父さんたちは、一人で帰ると言う悠馬を無理やりうちの車に乗せて、家まで帰ってきてしまった。
そしてまだ話したいことがある悠馬と私は、近くの公園のベンチに二人で月を見上げながら座っている。
「おじさん、ショックで口もきけないみたいだったじゃんか。…次会ったら俺どんな顔すればいいんだ」
悠馬が情けない声で言うのがおかしくて、私はまたクスクスと笑った。
「まったく、るりは…、時と場合を選んでくれないと」
悠馬ににらまれても全然平気だった。
「だってそうしたくなったんだもん」
全然反省していない私を、悠馬が瞬きをしてからじっと見た。
「るり、あのさ…」
「ん?」
「さっき言ってたこと、…本当?」
私は笑うのをやめて悠馬を見つめ返す。そしてゆっくりうなずいた。
「本当だよ。私、悠馬が好き。大好きなの」
悠馬が息を呑んで私を見ている。"信じられない"って表情で。
やっぱり。
ちゃんと言わなきゃわかんないよね。私の本当の気持ちなんて。
私はもう一度、一言一言確認をするように悠馬に向かって言った。
「弟みたいなんて言ったのは嘘なの。悠馬のこと、弟だなんて思ってない。ちゃんと、男の子として好きなんだ」
悠馬がかすれた声を出した。
「…本当に?」
「本当に」
突然「あーーー」という声を出して、悠馬が脱力する。
私はちょっとびっくりして、両手で顔を覆う悠馬の頭を見た。
「あのぉー、…悠馬?」
しばらくすると悠馬は白いシャツの肩をゆらして笑い出した。
「ふふふ、ははは!やばい、めっちゃくちゃうれしい」
その手放しの笑顔に私の胸がどきんと跳ねる。
し、心臓に悪いな…これは。
悠馬の方はそんなことはお構いなしで綺麗な目を細めて私を見た。
「俺、もう弟以上には見てもらえないと思ってあきらめてたんだ。今日の発表会も来たかったけど、彼氏でもない、本当の弟でもない俺が来たらおかしいだろ?言い出せなくて…。そしたら健二が、チケットをくれてさ。それでも俺、迷ってたんだけど、健二のやつが大丈夫だから絶対に行けの一点張りでさ」
健二のやつ、本当にいい仕事をする。今度何かおごってやらなくちゃ。
「私…発表会が終わったらちゃんと言おうと思ってたの。私の、本当の気持ち。それから、悠馬の気持ちも聞きたいって思ってた。悠馬が何を思って私につきあおうなんて言ったのか。それから…別れようって言ったのか」
私の言葉に、悠馬は笑いをひっこめて考えるように黙り込む。少し迷っているみたいだった。
私は急かすことなく悠馬の横顔を見つめながら彼の答えを待った。
しばらくして悠馬は決心したように顔を上げた。そして真っ直ぐに私を見つめた。
悠馬が呟いて肩を落とす。
私は隣でクスクスと笑った。
「大丈夫だって。うちのお父さん恐くないの知ってるでしょ?」
「でもなぁ…」
発表会のあとの私たちのラブシーンは、お父さんだけじゃなくて、その後ろにいたお母さんとおばあちゃんにも見られていた。
お父さんたちは、一人で帰ると言う悠馬を無理やりうちの車に乗せて、家まで帰ってきてしまった。
そしてまだ話したいことがある悠馬と私は、近くの公園のベンチに二人で月を見上げながら座っている。
「おじさん、ショックで口もきけないみたいだったじゃんか。…次会ったら俺どんな顔すればいいんだ」
悠馬が情けない声で言うのがおかしくて、私はまたクスクスと笑った。
「まったく、るりは…、時と場合を選んでくれないと」
悠馬ににらまれても全然平気だった。
「だってそうしたくなったんだもん」
全然反省していない私を、悠馬が瞬きをしてからじっと見た。
「るり、あのさ…」
「ん?」
「さっき言ってたこと、…本当?」
私は笑うのをやめて悠馬を見つめ返す。そしてゆっくりうなずいた。
「本当だよ。私、悠馬が好き。大好きなの」
悠馬が息を呑んで私を見ている。"信じられない"って表情で。
やっぱり。
ちゃんと言わなきゃわかんないよね。私の本当の気持ちなんて。
私はもう一度、一言一言確認をするように悠馬に向かって言った。
「弟みたいなんて言ったのは嘘なの。悠馬のこと、弟だなんて思ってない。ちゃんと、男の子として好きなんだ」
悠馬がかすれた声を出した。
「…本当に?」
「本当に」
突然「あーーー」という声を出して、悠馬が脱力する。
私はちょっとびっくりして、両手で顔を覆う悠馬の頭を見た。
「あのぉー、…悠馬?」
しばらくすると悠馬は白いシャツの肩をゆらして笑い出した。
「ふふふ、ははは!やばい、めっちゃくちゃうれしい」
その手放しの笑顔に私の胸がどきんと跳ねる。
し、心臓に悪いな…これは。
悠馬の方はそんなことはお構いなしで綺麗な目を細めて私を見た。
「俺、もう弟以上には見てもらえないと思ってあきらめてたんだ。今日の発表会も来たかったけど、彼氏でもない、本当の弟でもない俺が来たらおかしいだろ?言い出せなくて…。そしたら健二が、チケットをくれてさ。それでも俺、迷ってたんだけど、健二のやつが大丈夫だから絶対に行けの一点張りでさ」
健二のやつ、本当にいい仕事をする。今度何かおごってやらなくちゃ。
「私…発表会が終わったらちゃんと言おうと思ってたの。私の、本当の気持ち。それから、悠馬の気持ちも聞きたいって思ってた。悠馬が何を思って私につきあおうなんて言ったのか。それから…別れようって言ったのか」
私の言葉に、悠馬は笑いをひっこめて考えるように黙り込む。少し迷っているみたいだった。
私は急かすことなく悠馬の横顔を見つめながら彼の答えを待った。
しばらくして悠馬は決心したように顔を上げた。そして真っ直ぐに私を見つめた。


