健二と話をしてからすぐに、学校は夏休みに入った。
私は毎日バレエスタジオに通い、朝早くから夜遅くまでレッスンを続けた。
今までだって発表会の前はこうやってバレエに打ち込んだけど、今年の夏はちょっと違う。
今までで一番集中できている。
レッスンはどんどん厳しくなって、泣きたくなるときもあったけど、私は決して後ろを向かなかった。
悠馬からもらったあのキラキラとした気持ちが、胸の中にいつもあって私を強くした。
悠馬とは全然会わない日々が続いた。お互いに、毎日学校とスタジオに通う日々だから偶然すれ違うこともない。
会いたいな。
そう思う日もあった。
小麦色に焼けた肌に、意志の強い綺麗な瞳、長いまつ毛、はにかむみたいに笑うクセ。
落ち着いた低いあの声で、るりって呼んでほしいって。
でも目を閉じれば私の脳裏には、グランドで汗を流す悠馬の姿がいつでも浮かぶ。私は心の中で、何度も何度も呼びかけた。
悠馬、がんばろうねって。
もう私は迷わない。
発表会が終わったら必ず、悠馬に私の気持ちを打ち明ける。大好きだよっていう、この気持ちを悠馬に聞いてもらうんだ。
夏休みが終わって、また学校が始まった。
私は森さんたちの噂で、悠馬がレギュラーになれたことを知った。
チームは順調に勝ち上がり、次の土曜日は地区大会の決勝戦。勝てば地区の代表権を獲得する。もしそうなれば、学校始まって以来の快挙なんだ。
私の発表会も、日曜日に迫っていた。だから残念だけど、土曜日の悠馬の試合は観に行けない。リハーサルがあるからだ。
私は代わりに、健二に行ってもらうことにした。
親友のくせに、インドアな健二はめんどくさそうにしてたけど、それでも行ってくれたみたい。
リハーサルの休憩時間、私の携帯に健二から送られてきたのは、チームメイトとトロフィーを持って笑う悠馬の写真。そこにメッセージが添えてあった。
"次は、姉ちゃんの番だな"
私は携帯を抱きしめて、大きく深呼吸をした。
悠馬はやりとげたんだ。
次は…そう、私の番。
私は毎日バレエスタジオに通い、朝早くから夜遅くまでレッスンを続けた。
今までだって発表会の前はこうやってバレエに打ち込んだけど、今年の夏はちょっと違う。
今までで一番集中できている。
レッスンはどんどん厳しくなって、泣きたくなるときもあったけど、私は決して後ろを向かなかった。
悠馬からもらったあのキラキラとした気持ちが、胸の中にいつもあって私を強くした。
悠馬とは全然会わない日々が続いた。お互いに、毎日学校とスタジオに通う日々だから偶然すれ違うこともない。
会いたいな。
そう思う日もあった。
小麦色に焼けた肌に、意志の強い綺麗な瞳、長いまつ毛、はにかむみたいに笑うクセ。
落ち着いた低いあの声で、るりって呼んでほしいって。
でも目を閉じれば私の脳裏には、グランドで汗を流す悠馬の姿がいつでも浮かぶ。私は心の中で、何度も何度も呼びかけた。
悠馬、がんばろうねって。
もう私は迷わない。
発表会が終わったら必ず、悠馬に私の気持ちを打ち明ける。大好きだよっていう、この気持ちを悠馬に聞いてもらうんだ。
夏休みが終わって、また学校が始まった。
私は森さんたちの噂で、悠馬がレギュラーになれたことを知った。
チームは順調に勝ち上がり、次の土曜日は地区大会の決勝戦。勝てば地区の代表権を獲得する。もしそうなれば、学校始まって以来の快挙なんだ。
私の発表会も、日曜日に迫っていた。だから残念だけど、土曜日の悠馬の試合は観に行けない。リハーサルがあるからだ。
私は代わりに、健二に行ってもらうことにした。
親友のくせに、インドアな健二はめんどくさそうにしてたけど、それでも行ってくれたみたい。
リハーサルの休憩時間、私の携帯に健二から送られてきたのは、チームメイトとトロフィーを持って笑う悠馬の写真。そこにメッセージが添えてあった。
"次は、姉ちゃんの番だな"
私は携帯を抱きしめて、大きく深呼吸をした。
悠馬はやりとげたんだ。
次は…そう、私の番。


