レッスン後、スタジオから家までの道のりを走るように私は進む。胸が苦しいくらいに高鳴って、歩いてなんかいられなかった。
頭の中は悠馬のことでいっぱいだった。
初めて、オデットでほめられたこともパドドゥにチャレンジできることも、一番に伝えたい。
もしかしたら、まだ怒っているかもしれない。言ったところで、だから?俺には関係ないよって言われるかも。
それでも言わなくちゃ。
ありがとうって。
悠馬のおかげでまた私はバレエという宝物を取り戻せたんだ。
絶対に、言わなくちゃ。
悠馬の家にたどり着いた私は、はずむ息を整えながら、門のところで二階にある悠馬の部屋の窓を見つめた。
いつもはチャイムを鳴らさなくても時間になったら、出てきてくれた。
今はケンカをしているから、そのままじゃ私がいることに気がつかないはずだ。どうしようかと私が思った時、ガチャリと玄関のドアが開く音がして、悠馬が出てきた。
「悠馬」
悠馬はサンダルをひっかけて、門にいる私の方へ歩いてくる。
私は思わず門をつかんで、口を開いた。
「悠馬!私ほめられたんだよ!バリエーションで!それで、パドドゥをやってみないかって言われたの!全部、悠馬のおかげだよ!ありがとう!」
いきおいこんで、ちょっと大きな声が出てしまう。しかも悠馬からしたら、意味不明な内容かもしれない。それでも胸がドキドキして、言わずにはいられなかった。
悠馬はちょっと驚いて、「とにかく、中に入って」と言った。
二人とも家に入ってドアが閉まると、悠馬は玄関に座って私を見上げた。
「レッスンがうまくいったんだ。ほめられたの?めずらしいね、ほとんどほめない先生だって言ってたじゃん」
悠馬の言葉に私はうなずいた。
「そうなの、だから私うれしくて…。あの、大きな声を出しちゃってごめん。近所迷惑だったよね」
悠馬がふっと笑った。
「それは大丈夫、よかったじゃん。発表会は大丈夫そうだね」
私は少しホッとした。
悠馬、もうそれほどは怒ってないみたい。
「うん、悠馬のおかげだよ。本当にありがとう」
悠馬は、今度は首を横に振った。
「俺は別に何もしてないよ。るりががんばったんだ」
頭の中は悠馬のことでいっぱいだった。
初めて、オデットでほめられたこともパドドゥにチャレンジできることも、一番に伝えたい。
もしかしたら、まだ怒っているかもしれない。言ったところで、だから?俺には関係ないよって言われるかも。
それでも言わなくちゃ。
ありがとうって。
悠馬のおかげでまた私はバレエという宝物を取り戻せたんだ。
絶対に、言わなくちゃ。
悠馬の家にたどり着いた私は、はずむ息を整えながら、門のところで二階にある悠馬の部屋の窓を見つめた。
いつもはチャイムを鳴らさなくても時間になったら、出てきてくれた。
今はケンカをしているから、そのままじゃ私がいることに気がつかないはずだ。どうしようかと私が思った時、ガチャリと玄関のドアが開く音がして、悠馬が出てきた。
「悠馬」
悠馬はサンダルをひっかけて、門にいる私の方へ歩いてくる。
私は思わず門をつかんで、口を開いた。
「悠馬!私ほめられたんだよ!バリエーションで!それで、パドドゥをやってみないかって言われたの!全部、悠馬のおかげだよ!ありがとう!」
いきおいこんで、ちょっと大きな声が出てしまう。しかも悠馬からしたら、意味不明な内容かもしれない。それでも胸がドキドキして、言わずにはいられなかった。
悠馬はちょっと驚いて、「とにかく、中に入って」と言った。
二人とも家に入ってドアが閉まると、悠馬は玄関に座って私を見上げた。
「レッスンがうまくいったんだ。ほめられたの?めずらしいね、ほとんどほめない先生だって言ってたじゃん」
悠馬の言葉に私はうなずいた。
「そうなの、だから私うれしくて…。あの、大きな声を出しちゃってごめん。近所迷惑だったよね」
悠馬がふっと笑った。
「それは大丈夫、よかったじゃん。発表会は大丈夫そうだね」
私は少しホッとした。
悠馬、もうそれほどは怒ってないみたい。
「うん、悠馬のおかげだよ。本当にありがとう」
悠馬は、今度は首を横に振った。
「俺は別に何もしてないよ。るりががんばったんだ」


