さっちゃんは悠馬の好きな人は私なんじゃないかって言ったけど、私にはどうしてもそんなふうには思えなかった。だってもしそうなら、こんなにややこしいことをする必要があるように思えないから。
　王子様って言われるくらいカッコいい悠馬なら、普通につきあってって言えばいいだけだもん。
　たぶん悠馬の好きな人は別にいる。
　だから、その人に私達の関係がバレる前に終わらせないと。
　…でも私は、どうしてもそれをいいだせなかった。それは言ってしまえば、悠馬との時間が終わってしまうのがわかっているから。
　…悠馬がおしえてくれたニセモノの恋心。
　でもこれって本当にニセモノなのかな？