「るりが、目も悪くないのに学校でメガネをしてるのもそれと関係あるの?」
 私はこくんとうなずいて、あれっと思って顔を上げる。
「さっちゃん、私のメガネが伊達メガネだって知ってたの?」
「知ってたよ。何かあるんだろうなと思って聞かなかったけど」
「さっちゃん…」
 私の視界が涙ににじむ。さっちゃんって本当に優しい。
「なるべく目立たないようにしてたの。何が原因で目をつけられるかわからないから…」
「なるほどね」
さっちゃんはうなずいた。
「メガネなし、ポニーテールのるりはなかなかかわいいもん。今のるりを見たら森さんあたりはちょっと穏やかじゃいられないかも。しかも王子とはただならぬ関係みたいだし」
「さ、さっちゃん!」
 悠馬と一緒にいたこともちゃんと説明しなくちゃって思うけどこっちの方は、なんて説明したらいいかさっぱりわからない。
 さっちゃんがぷっと吹き出してそのままくすくすと笑った。
「ついでに王子とのことも洗いざらいおしえてくれたら、なにもかも水に流してあげる」
 もう、さっちゃんったら。
 でも、さっちゃん…。
「…怒ってないの?」
 私の問いかけにさっちゃんは目をパチクリさせた。