「先生ってば、白鳥の湖は恋の話なんだからあなたも王子様に恋をしている気持ちになって踊りなさいなんて言うんだよ?私もう、何がなんだかわからなくなっちゃって…」
悠馬が、「なるほどな」と呟いた。
「大人って、いきなり無理なこと言ったりするよな。反論しても聞いてくれないし」
私はこくんとうなずいた。
もちろん、先生に言い返すことなんて出来なかった。
悠馬が私をじっと見て、そしてちょっとためらいながら口を開いた。
「でもわかんないこともないよ。その先生の言うこと」
「…え?」
「いや別に先生の肩を持つわけじゃないけどさ。バレエって、俺はあんまりよくわかんないけど、演技をする部分もあるわけじゃん?ストーリーがあって」
小さい頃は悠馬も発表会に来てくれたことがあるからちょっとはどういうものか覚えているらしい。
「だから、同じように踊るなら恋するお姫様の気持ちになって踊る方いいよな、そりゃ」
私は頬をふくらませた。そんなことはわかっている。今までだって踊る時はいつも笑顔で踊るようにって言われてたし。
「でも、そんなこと言ったって、わかんないんだもん」
「何が?」
「だから、恋する気持ち!」
私は思わず言い返した。
悠馬は黙ってこちらをジーと見ている。
「な、なによ」
私は負けじとにらみかえした。
でもこうやって見てみると悠馬をカッコいいってさわぐ女の子たちの気持ちもわからなくない。小さい頃からとにかくかわいい顔をしていたけど、いつのまにか男の子らしい顔つきになっている。
目が大きくて、まつ毛が長くて…。
そんなふうに思ったら、なんだか少しだけ恥ずかしくなって私は彼から目をそらす。
悠馬がちょっと信じられないことを言った。
「恋する気持ちがわからないなんて、…まさかるり、初恋もまだなの?」
「な!ば、ばか!なんてこというのよ!ゆ、悠馬には関係ないでしょ!」
私は大きな声を出してしまう。顔が赤くなるのが自分でもわかった。
「だって大事なことだろ。演劇なんだから。るりは真剣なんだろ、バレエに」
そ、そりゃあそうだけど…。
「おしえてよ。誰かを好きになったことないの?」
問いかけて、悠馬は私の答えを待っている。
私はなんだか暑いな…と思いながら口を開いた。
「ま、まだだよ。わ、悪い?」
悠馬が、「なるほどな」と呟いた。
「大人って、いきなり無理なこと言ったりするよな。反論しても聞いてくれないし」
私はこくんとうなずいた。
もちろん、先生に言い返すことなんて出来なかった。
悠馬が私をじっと見て、そしてちょっとためらいながら口を開いた。
「でもわかんないこともないよ。その先生の言うこと」
「…え?」
「いや別に先生の肩を持つわけじゃないけどさ。バレエって、俺はあんまりよくわかんないけど、演技をする部分もあるわけじゃん?ストーリーがあって」
小さい頃は悠馬も発表会に来てくれたことがあるからちょっとはどういうものか覚えているらしい。
「だから、同じように踊るなら恋するお姫様の気持ちになって踊る方いいよな、そりゃ」
私は頬をふくらませた。そんなことはわかっている。今までだって踊る時はいつも笑顔で踊るようにって言われてたし。
「でも、そんなこと言ったって、わかんないんだもん」
「何が?」
「だから、恋する気持ち!」
私は思わず言い返した。
悠馬は黙ってこちらをジーと見ている。
「な、なによ」
私は負けじとにらみかえした。
でもこうやって見てみると悠馬をカッコいいってさわぐ女の子たちの気持ちもわからなくない。小さい頃からとにかくかわいい顔をしていたけど、いつのまにか男の子らしい顔つきになっている。
目が大きくて、まつ毛が長くて…。
そんなふうに思ったら、なんだか少しだけ恥ずかしくなって私は彼から目をそらす。
悠馬がちょっと信じられないことを言った。
「恋する気持ちがわからないなんて、…まさかるり、初恋もまだなの?」
「な!ば、ばか!なんてこというのよ!ゆ、悠馬には関係ないでしょ!」
私は大きな声を出してしまう。顔が赤くなるのが自分でもわかった。
「だって大事なことだろ。演劇なんだから。るりは真剣なんだろ、バレエに」
そ、そりゃあそうだけど…。
「おしえてよ。誰かを好きになったことないの?」
問いかけて、悠馬は私の答えを待っている。
私はなんだか暑いな…と思いながら口を開いた。
「ま、まだだよ。わ、悪い?」


