健二が相談相手になるなんてありえないって思う。あいつゲームにしか興味ないし。
でも話しただけで楽になるなら、誰にも相談できない話をしてみようかなと思える相手が、いい相談相手ってことかもしれない。
たとえ何か具体的なアドバイスがもらえなかったとしても。
私は改めて悠馬をじっと見た。
小さいころから当たり前に近くにいるから、普通の友達よりは一緒にいて気が楽だ。学校の友達にも言えてないバレエのことも知っている。
でも家族じゃないから、絶対にカッコ悪いところを見られたくないという風にも思わなかった。
私はひざに置いた手をぎゅっとにぎって口を開いた。
「バレエでさ」
「うん」
「今度の発表会で、オデットのバリエーションっていうプログラムのをやるの。白鳥の湖に出てくる一場面なんだけど」
悠馬が首を傾げた。
「バリエーションって一人で踊るやつだよね」
「うん、そう。それで発表会でできが良ければ、そのプログラムで冬のコンクールに出れるかもしれないんだ」
うちの先生はすごく厳しくて誰でも出たければコンクールに出られるってわけじゃないんだ。
出られるのは先生がいいって言った人だけ。私は、中学に入ってからは一度も出られていなかった。
だから、今年こそは!って思ってるんだけど…。
「なんだか自信がなくて…」
私はため息をついて肩を落とす。
「めずらしいね。るりが、そんなに弱気なんて、いつも自信満々って感じなのに」
悠馬の言う通りだった。
小学生の頃の私は、何をするにもできないことはないって思っていて、無敵だった。もちろん失敗することもたくさんあったけど、それでも何度もやりなおして成功してきた。
でも今の私は違う。
六年生の時にクラスメイトにいじめられたことで何にも自信が持てなくなった。
バレエも前みたいにどんどん上手くなっているって感じはしなくなって、むしろどんどん下手になってるような気がする。
こんなんでコンクールになんて出られないよね。
今日も先生に沢山叱られてもうどうしていいかわからない。バレエが好きなのかどうかすらもわからなくなってきた。
「踊っていてもうまく踊れてるかって、変なことばっか考えちゃって全然楽しくないの。今日は先生に、表情が硬いって怒られちゃった」
悠馬は、私の話を黙って聞いている。こんなこと、まさか悠馬に相談するなんて思ってもみなかったけど話し出したらなんだか止まらなくなってしまって、私は話し続けた。
でも話しただけで楽になるなら、誰にも相談できない話をしてみようかなと思える相手が、いい相談相手ってことかもしれない。
たとえ何か具体的なアドバイスがもらえなかったとしても。
私は改めて悠馬をじっと見た。
小さいころから当たり前に近くにいるから、普通の友達よりは一緒にいて気が楽だ。学校の友達にも言えてないバレエのことも知っている。
でも家族じゃないから、絶対にカッコ悪いところを見られたくないという風にも思わなかった。
私はひざに置いた手をぎゅっとにぎって口を開いた。
「バレエでさ」
「うん」
「今度の発表会で、オデットのバリエーションっていうプログラムのをやるの。白鳥の湖に出てくる一場面なんだけど」
悠馬が首を傾げた。
「バリエーションって一人で踊るやつだよね」
「うん、そう。それで発表会でできが良ければ、そのプログラムで冬のコンクールに出れるかもしれないんだ」
うちの先生はすごく厳しくて誰でも出たければコンクールに出られるってわけじゃないんだ。
出られるのは先生がいいって言った人だけ。私は、中学に入ってからは一度も出られていなかった。
だから、今年こそは!って思ってるんだけど…。
「なんだか自信がなくて…」
私はため息をついて肩を落とす。
「めずらしいね。るりが、そんなに弱気なんて、いつも自信満々って感じなのに」
悠馬の言う通りだった。
小学生の頃の私は、何をするにもできないことはないって思っていて、無敵だった。もちろん失敗することもたくさんあったけど、それでも何度もやりなおして成功してきた。
でも今の私は違う。
六年生の時にクラスメイトにいじめられたことで何にも自信が持てなくなった。
バレエも前みたいにどんどん上手くなっているって感じはしなくなって、むしろどんどん下手になってるような気がする。
こんなんでコンクールになんて出られないよね。
今日も先生に沢山叱られてもうどうしていいかわからない。バレエが好きなのかどうかすらもわからなくなってきた。
「踊っていてもうまく踊れてるかって、変なことばっか考えちゃって全然楽しくないの。今日は先生に、表情が硬いって怒られちゃった」
悠馬は、私の話を黙って聞いている。こんなこと、まさか悠馬に相談するなんて思ってもみなかったけど話し出したらなんだか止まらなくなってしまって、私は話し続けた。


