傘を閉じて玄関に靴をはいたままこしかけると、悠馬が隣に座った。
「なんだか元気ないなって思って」
幼なじみってすごいなぁ、って私は変なことに感心してしまう。そんなことまでわかるなんて。でも、素直にうんそうなんだとは言えなくて黙り込んでしまった。
「それになんだか最近のるり、イライラしてる」
今日の放課後、悠馬にきついことを言ってしまったことが頭に浮かんだ。それは悠馬が教室に来るからだよと言いかけて私は口を閉じた。
たしかに最近の私はなんだかイライラしてる。そして多分それは悠馬のせいなんかじゃない。
「バレエで何かあった?」
ずばりのことを言われて私の胸がずきんと痛む。こんなこと、本物の弟でも気がつかないのに、本当に幼なじみってすごい。
「誰かに話したら楽になるかもよ」
「悠馬には関係ないことだから」
「じゃあ、誰になら言える?言わなくても解決できる?」
私はため息をついた。
たしかに私にはバレエの悩みを相談できる人はいない。レッスン仲間は友達だけどライバルだし、スタジオでは私語禁止だから相談できる時間はない。
家族は、バレエのことには全然詳しくないからなんとなく相談しづらい。
そんな中で一人でぐるぐる考えていても答えなんかでないってこともわかっている。
でも、悠馬に相談しようなんてこと考えもしなかった。
だって弟だよ?
悠馬はそんな私を安心させるように口を開いた。
「俺も去年ケガをしてサッカーができなかった時期があってさ。あの時すっごくイライラしたから、なんとなくわかるんだ。るりの気持ち」
私は少しびっくりして悠馬を見た。
知らなかった、悠馬にそんな時があったなんて。
「チームの奴らは仲間だけど、ライバルだし。親にはカッコ悪いところ見せたくないし。誰にも相談できなくてイライラしたよ」
私はまたまたびっくりしてしまう。仲間だけどライバルだって私と全く同じ考えだ。
「結局、小さい頃から一緒にいる健二に話を聞いてもらったんだ。けど、あいつ…」
悠馬はそこまで言って、何かを思い出したように吹き出して笑い出した。
「ほんっとにめちゃくちゃなことばっか言うんだよ。そんなにつらいならやめてしまえって言ったと思ったら次の瞬間には、俺にはお前が海外のプロサッカーチームに入る未来が見えるとか言って」
悠馬の話に私は呆れてしまう。
健二に悩みを相談するなんて悠馬はなかなかのチャレンジャーだ。
健二って本当に無責任な奴なんだから。
「でもなんでかわからないけど楽になったんだ。それでまた練習に出れるようになった」
「なんだか元気ないなって思って」
幼なじみってすごいなぁ、って私は変なことに感心してしまう。そんなことまでわかるなんて。でも、素直にうんそうなんだとは言えなくて黙り込んでしまった。
「それになんだか最近のるり、イライラしてる」
今日の放課後、悠馬にきついことを言ってしまったことが頭に浮かんだ。それは悠馬が教室に来るからだよと言いかけて私は口を閉じた。
たしかに最近の私はなんだかイライラしてる。そして多分それは悠馬のせいなんかじゃない。
「バレエで何かあった?」
ずばりのことを言われて私の胸がずきんと痛む。こんなこと、本物の弟でも気がつかないのに、本当に幼なじみってすごい。
「誰かに話したら楽になるかもよ」
「悠馬には関係ないことだから」
「じゃあ、誰になら言える?言わなくても解決できる?」
私はため息をついた。
たしかに私にはバレエの悩みを相談できる人はいない。レッスン仲間は友達だけどライバルだし、スタジオでは私語禁止だから相談できる時間はない。
家族は、バレエのことには全然詳しくないからなんとなく相談しづらい。
そんな中で一人でぐるぐる考えていても答えなんかでないってこともわかっている。
でも、悠馬に相談しようなんてこと考えもしなかった。
だって弟だよ?
悠馬はそんな私を安心させるように口を開いた。
「俺も去年ケガをしてサッカーができなかった時期があってさ。あの時すっごくイライラしたから、なんとなくわかるんだ。るりの気持ち」
私は少しびっくりして悠馬を見た。
知らなかった、悠馬にそんな時があったなんて。
「チームの奴らは仲間だけど、ライバルだし。親にはカッコ悪いところ見せたくないし。誰にも相談できなくてイライラしたよ」
私はまたまたびっくりしてしまう。仲間だけどライバルだって私と全く同じ考えだ。
「結局、小さい頃から一緒にいる健二に話を聞いてもらったんだ。けど、あいつ…」
悠馬はそこまで言って、何かを思い出したように吹き出して笑い出した。
「ほんっとにめちゃくちゃなことばっか言うんだよ。そんなにつらいならやめてしまえって言ったと思ったら次の瞬間には、俺にはお前が海外のプロサッカーチームに入る未来が見えるとか言って」
悠馬の話に私は呆れてしまう。
健二に悩みを相談するなんて悠馬はなかなかのチャレンジャーだ。
健二って本当に無責任な奴なんだから。
「でもなんでかわからないけど楽になったんだ。それでまた練習に出れるようになった」


