ロミオは、愛を奏でる。


「リョーちゃん…人いるよ…」



「うん…
しかも、近所…

こんなとこ、ユートに見られたら
オレ、殴られるから…
妹泣かすな!って…」



リョーちゃんの胸が笑った



嬉しくて仕方ないのに

ビックリしすぎて笑う余裕がなかった



私も会いたかったのに…

私の方が会いたかったのに…



「イト…顔見せてよ…

せっかく帰って来たから
イトのかわいい顔見たい」



「リョーちゃん…おかえり…」



リョーちゃん

せっかく帰って来てくれたのに

「おかえり」って笑顔で言えなくて

ごめんね



私の顔を見てリョーちゃんが笑った



「イト、やっぱりオマエかわいいな…
帰って来て、よかった

シャワー浴びたらイトの部屋行ってもいい?
すぐ行くから泣きやんでろよ!」



「うん…」



見送る時は泣かなかったのにな…



リョーちゃん

ズルいよ

急に帰ってくるんだもん