ロミオは、愛を奏でる。


「イト、仕事終わった?」



「うん、今、駅ついた」



いつもより早い時間に

リョーちゃんから電話がきた



「そのまま帰るの?」



「んー…ちょっと買い物して…」



「またコンビニ?」



今日はリョーちゃんのところに行くための
準備の買い物



「んー…あのね、リョーちゃん…」



「え、なに?イト」



ん?

リョーちゃんの電話なんか雑音する

電話の向こうが騒がしかった



「リョーちゃん、今ひとり?
誰か、隣にいる?」



いつもリョーちゃん寝てる時間だよね?



「ん?なんで?」



「なんか…音する…
いつもと、違う…

ん?外に、いる?」



騒々しくてリョーちゃんの声よく聞こえない



「いるよ、外に…

いるよ、隣に…」



「え?…隣に?誰と…?」



「イト!」



「え!」



電話越しに聴こえるはずの声が

急に肩越しに聴こえた



「リョーちゃん!」



「ただいま、イト」



ホントに隣にリョーちゃんがいた