イトの部屋
「今日リトが
リョーちゃんのヒザの上座ったよね!
リト、ズルい!
リトだから仕方ないって、我慢したけど…」
イト、ヤキモチ妬いてる
「そーだった?
リトとやっと仲良くなれた」
「うん、リョーちゃんと意気投合してたね」
「うん、意外と気が合った
意外でもないか…
…
イト、今なら我慢しなくていいけど…
くる?」
「うん」
イトは嬉しそうにオレのヒザに座った
いつもと違う座り方
向かい合うな!
「イトやめろ、その座り方」
この距離で目が合うとまだ照れる
頼むから背中向けて
「なんで?いいじゃん!
リトもこーしてたよ
…
リョーちゃんのヒザに座ると
いつもリョーちゃんの顔見えなくて
ちょっと嫌だった」
だって、こーやって座るとさ
ドクン…
したくなるじゃん
「顔見たら、キスしたくなるけど…」
「うん…いいよ、しても…」
リトのことズルいとか言ってたけど
イトだってズルいだろ
煽るな
ーーー
「…ハイ、終わり!」
「なんで?」
ーーーーー
ヤバイ
止まらなくなる
「ハイ、ホントに終わり!
だって、イトの部屋だし…」
「なんで?キスしたっていいじゃん!」
簡単に言うな
「ダメ…
キス以上にしたくなるから…」
「…」
ほら
やっぱりイトはそんな気ない
「だから、この体勢はダメ!
オレに背向けて座って…」
「したいって言ったら?」
「え?」
声裏返った
「今日は途中で寝ないから…」
「ダメ…
下りて…」
イトをヒザから下ろした
イトの後ろ姿
少し寂しそうだった
「うちの親帰ってきたかも…
イト、ちょっと顔出す?」
「…うん…」



