ロミオは、愛を奏でる。


「ママー!
ジュジュおきたー!」



「ハーイ!今行くねー」



木々羅、ママか…



オレの中にはまだ

高校生の時の木々羅がいる



「ユート
結婚しても、木々羅のこと好き?」



木々羅が隣の部屋に行った隙に聞いた



「なに?急に…」



「や…どーかな…って…」



「パパー、ジュジュ抱っこしてて…
私、ミルク作ってくる」



木々羅が赤ちゃん抱っこして来た

この前お腹にいた子



ちゃんとカタチになってるって

なんか不思議



「ユート、ちゃんとパパしてんな…」



「まぁね…」



「女の子か…
ジュジュちゃんて、かわいいな」



「うん」



「ユート、オレにも抱っこさせて…」



「ダメ!」



「なんで?」



「リョータ、前科あるし…」



「前科?」



「イトが産まれた時、覚えてない?」



「あー、オレも一緒に病院行ったよね」



「その時、産まれたばっかのイトに…」



「あー!思い出した!
チューした
で、すっげ怒られた
親にゲンコツもらった」



「しかも口だったからね…
リョータのお母さん、めちゃくちゃ怒ってた
看護婦さんにも注意されてさ
もぉ病室来ちゃダメって…」



「だってかわいかったし…
イト、抱いたら柔らかくて、いい匂いした
お姫様みたいだった」



「だから、ダメ!
ジュジュにもするだろ」



アレ?

じゃあオレのファーストキスって…



「イトちゃんのファーストキス
成瀬だったの?」



木々羅がミルクを作ってユートに渡した



「ママ〜、なに?イトちゃんなにしたの?」



「ん?リトは聞いちゃダメ
大人の話だからね♡」



「ヤダ!なに?なに?」



「リト、あのね…
わかりやすく言うと…
私が産まれた時
王子様がチューしてくれたんだって!」



イトが説明した


恥ずかしくなる

その説明


イトは恥ずかしくない?



「リトもイトちゃんとチューしたい!
したい!したい!したい!」



「きっとリトにも
リトを待ってるお姫様がいるよ」



「おひめさま?」



「うん、大好きな人
その時まで、とっておこうね」



「リト、誰かの小さい時に似てるな」



ユートが笑った



イトも木々羅も笑ってた



恥ずかしすぎるだろ

この状況