ロミオは、愛を奏でる。


「成瀬、飲み物置いとくね」



「ありがと」



「ごめんね
リト、イトちゃんのこと大好きだから…」



オレも大好きだけどね!



えっと、じゃあ本題



「ユート
話があるんだ」



「なに?
彼女できた?
リョータの話って、だいたいソレじゃん」



さすが、ユート



「うん、できた」



「今度は、どんな人?
こっちにいるの?」



どんな?



「イト
オマエの妹」







一瞬の間があって

ユートと木々羅が笑った



「そぉかな…って思ってた
珠莉と話してたんだ
リョータ絶対好きだよねって…」



「成瀬、わかりやすいもんね!」



木々羅、オマエは気付かなかっただろ

それとも気付かないフリしてた?



「て、いうことで…
お義兄さん!いいですか?」



「大変な妹だけど大丈夫?

何もできなくて
誰かのために珠莉に料理習って
オレ、何度も不味いの食べさせられた」



「うん、今は美味しいから大丈夫」



「大学時代は
お掃除マイスターとかいう
わけのわからない資格とってさ
なんの役に立つのかな?って
今の仕事には全然活かせない資格だし
他にやることいっぱいあるだろ!って
何度も言ったんだけどね」



「あー、引っ越しのダンボール
イトのおかげで片付いた」



「へー…役に立ってるんだ
それなら良かった

将来の夢のために
アイツずっと頑張ってたよ」



「イトの将来の夢って…?」



「珠莉、なんだっけ?」



「『大好きな人のお嫁さん』って
この前、リトに話してたよ〜♡」



「そーだっけ?
まぁ、そんな妹でよかったら
ぜひ付き合ってあげて

オレには手に負えないけど
リョータならきっと大丈夫でしょ」



「成瀬とイトちゃん、お似合いだと思うよ♡」



イト

オレのために

頑張ってくれてたんだ



「親友兼親戚代表のスピーチ
考えておいた方がいいかな?」



うん

いつか結婚したいと思ってるよ



「うん、中途半端な気持ちじゃないから…
絶対、幸せにするから…

その時はまた
挨拶に来るから…

お義兄さん、よろしくお願いします」



「リョータと親戚か…」



「私も成瀬と親戚になると思わなかったな…」



「あ、木々羅…もしかして、お義姉さん?」



「うん、そーなるね…」



イトの夢

叶えてあげたい