ロミオは、愛を奏でる。


「イト、そろそろ帰る?」



イトと付き合って2週間

今週は何回マンションに来た?



残業がないと

オレのマンションに寄って

手料理を作ってくれた



話したいことを話して

笑いたいだけ笑って

目が合ってまだ慣れないキスをして…



そろそろ帰る?って

オレに促されないと帰らない



オレも帰したいわけじゃないけど

イトを大切に想ってるから

付き合ってマイナスになる関係は望んでなかった



イトの家族を知ってるだけに

無責任なこともしたくなかった



「帰りたくないなー
せめて目の前が家だったらな…」



拗ねるイトが可愛かった



「いい距離だったよな
会いたければいつでも会えたしね」



「リョーちゃんいつもお兄ちゃんに
会いに来てたもんね!
彼女がいない時は特に…

私はいつもついでだったけど
それでも嬉しかった」



「ユートのこと好きだったからな」



「いいな…お兄ちゃん
リョーちゃんに愛されて…」



「イトのことも愛してるよ!」



「あー、またついでっぽい言い方」



イトとの会話には

いつも家族が出てくる

特にユート



家族ぐるみで仲がよかったから仕方ないけど



「ユートがいない、ふたりの思い出も
これからいっぱい作ろうね…」



「うん」



ーーー



「愛してるよ…イト」



「うん」



イトの髪を撫でた

かわいすぎる、イト



「あ、ユートに言った?」



「なに?」



「付き合ったこと」



「まだ、お兄ちゃんに言ってないよ」



「オレから言うから言うなよ!」



「口止め?」



「うん、口止め」



「じゃあ、口止め料ください」



イトが目を閉じた



「しっかりしてるな、妹って…」



ーーー



「足りない」



ーーー



「言っちゃうかも…」



ーーーーー



「帰りたくなくなった

泊まってもいい?
明日、休みだし…」



「…」



なんも言えねー…(祝オリンピック記念)古



オレも帰したくないけど…



「明日一緒にお兄ちゃんとこ遊びに行こう!」



「あー…いいね!」



「じゃ、泊まるね!」



「ちゃんとイトのママに電話しろよ!」



「うん!
リョーちゃんち泊まるって電話するね!」



ザ•下の子



兄ちゃんは下の子に弱い