ロミオは、愛を奏でる。


「ソファーの荷物、適当にずらして座って!」



イトがオレのマンションに来た



「わぁ!リョーちゃん、夜景が見えるね」



イトはソファーに座らないで

窓から外を見た



イトの隣から窓を覗いた



「星も見える

キレイだね…リョーちゃん」



「うん…」



イト

なんか今日

機嫌いいな



ずっと笑ってるし…



あの人と

なんかいいことあった?



「リョーちゃんも、見えてる?」



「ん?なにが?」



「星、見えてる?」



「見えてるよ
当たり前じゃん
イト、何言ってんの?」



イトと目が合った



ドキン…



イトはまたすぐ空を見た



「当たり前だね…
当たり前で、嬉しい
リョーちゃんと一緒に星見れるの」



なに?

イト?


星を見てるイトは

綺麗だった



「マンションから見る星って、近いね」



「そんな変わらないだろ」



「近いよ…」



うん

イトも近いね


すぐ隣にイトの体温を感じる



「イト、今日、酔ってるの?
だいぶ飲んだ?」



「酔ってないよ
今日は、お酒飲んでない」



最後のイトは

いつも寂しそうなのに

また会う時は

何もなかったみたいに笑ってる



だからまた

好きになる



触れたくなる



イトを見たらまた目が合った

今度は吸い込まれそうだった



ドクン…



冷たかったガラスが熱くなった

酔ってるのはオレの方かな?



「あ、イト、なんか飲む?」



「うん、じゃあ…
リョーちゃんと同じの…」



「オレはビール飲むよ」



「じゃあ、私もビールにする」



オレ、また間違いそうだった