ロミオは、愛を奏でる。


消えていく飛行機雲の下

新しくできたテーマパークの看板が

目に止まった



「あ、そーだ
リョーちゃん、アレ見て!」



「へー…
オレがいないうちにこんなのできたんだ」



「うん、今年オープンしたんだよ
人気アトラクションは3時間待ちらしいよ」



「3時間て…」



リョーちゃんが呆れた顔をした



「でも、リョーちゃんが今いる国に行くのは
もっと時間かかるでしょ」



「うん、そりゃーね…

イト、大人になったと思ったら
意外とまだ子供だな
遊園地なんて行きたいんだ」



「今ここがデートスポットなの!
友達はこの前、彼氏と一緒に行ったって…」



子供扱いされて

ちょっとムキになった



「イトは一緒に行くような相手いないの?」



一緒に行くような?

彼氏ってこと?



「うん、いないよ…」



「そっか…」



なんだ

一緒に行ってくれるわけじゃないんだ



だよね

リョーちゃん帰っちゃうもんね



こっちにいても

一緒になんて行かないか…



あのね

遊園地に行きたいわけじゃなくてね

リョーちゃんと一緒がいいの