「木々羅、ふたり目いるんだって?」
「うん
ユートから聞いた?」
「え、オレ、まだ言ってないよな?」
「うん
ユート、教えてくれなかった
昨日、実家で耳にした」
「別に隠してたわけじゃなくて
なかなか会わないからさ
今度、会ったら言おうと思ってた」
「今度会ったら…って
オレが今回帰って来てなかったら
もぉ生まれてただろ!
今度って…3人ぐらい生まれてるかもな」
リョーちゃんが笑った
またリョーちゃん
ずっと帰ってこないんだ
「木々羅、幸せ?」
リョーちゃんが珠莉ちゃんのお腹に手を当てた
「え?成瀬、急になに?」
「まぁ、聞かなくてもわかるけど…
…
なんか、不思議…
ここに命が入ってるんだ」
珠莉ちゃんに自然と触るリョーちゃん
なんか夫婦みたい
お兄ちゃんヤキモチとかないの?
なんか言いなよ!
「じゃあ、言わなくてもわかると思うけど…
…
幸せだよ、私」
「だよね…
なら、よかった」
あ、また私
取り残された
3人しかわからない
空気が流れる
3人の顔を見てしまう
お兄ちゃんは
珠莉ちゃんに愛されてるの知ってるから
珠莉ちゃんを信用してるから
ヤキモチとかないのかな
余裕だね
大人だね
「ママ〜」
リトが珠莉ちゃんに抱きついた
「あ、ごめん…
ママ取らないから大丈夫だよ」
リョーちゃんが珠莉ちゃんから離れた
子供は正直だよ
私も素直になりたい
あの頃は言えたのに…
リョーちゃん、好きだよ!って



